今回は「魔女の一撃」と呼ばれる「急性腰痛症」の治療についてお話しします。まず第一は、安静です。ただ全く動かない方が良いのではなく、ずっと寝ているよりも痛みに応じて適度に動いた方が早く痛みが減少するとの報告もあり、動ける範囲は動いて構いません。次は、痛みに応じて、消炎鎮痛剤の内服、外用薬の使用、コルセットの着用です。コルセットは痛みが減少したら外しましょう。予防のためにしておきたいという方もおられますが、常に装着していると、腹筋背筋が衰え、それが腰痛の原因になります。よくお風呂で温めた方が良いと、長湯をされる方もおられますが、傍脊柱筋の挫傷、炎症や椎間関節の捻挫の場合は、温めることによって痛みが悪化することもあり、避けた方が無難です。できれば痛い部位をアイスノンなどで冷やすことが効果的です。またマッサージなども痛みを増強させる可能性があります。もし行うなら、痛みと相談しながら自分でストレッチを行うことが望ましいです。痛くない範囲で動いて、痛みを感じる手前でやめます。決して無理はいけません。