突き指の治療として、よく言われるのが「引っ張る」ということです。しかし、「すぐに引っ張ったけど痛みが続きます」という患者さんが時々来られます。実は、引っ張るのは医学的には正しい治療法ではありませんし、一口に突き指といってもいろんな病態があるのです。軽ければ単なる関節の打撲ですし、中には関節軟骨の損傷、骨折、靭帯(じんたい)損傷、腱(けん)の断裂などが考えられます。いずれの病態でも引っ張るという方法は全く無意味だといえます。
治療方法として必要であれば当て木などによる固定、さらには手術をしなければならないときもあります。中には受傷後しばらくしてから来院され、手遅れになって手術ができない状態の患者さんもおられます。突き指をしたら、まず冷やすことが大事です。そして痛みが強いときには、たかが突き指と思わないで、必ず早めに専門医を受診する方がいいでしょう。