【第1回】 ひざの注射【2010年11月】

 ひざの痛みを和らげるために用いられる治療法として関節注射があります。多くの場合は、すり減った軟骨の滑りをよくするために、潤滑油の役割を持ったヒアルロン酸を注射します。炎症の強いときにはステロイドという薬を使うこともあります。今から20年以上前、ヒアルロン酸が開発されるまでは、このステロイドしかなかったため頻用されていました。しかしながらステロイドは、痛みを取る高い効果が認められる一方で副作用も強く、骨がもろくなる場合もあり、現在ではヒアルロン酸の注射が主流となっています。またヒアルロン酸には、普通の粘度のものもあれば、より粘度の高い、粘り気が強いものもありますので、治療のときにどちらがいいか、主治医の先生とよく相談されることをお勧めします。注射後は、ばい菌が入らないよう注射した部分を清潔に保ち、当日の入浴やシャワーは控え、激しい運動も避けましょう。