今回は、「フレイル」についてお話しします。「フレイル」は加齢によって身体機能や認知機能が低下して、介護や死亡のリスクが高くなった状態のことです。一般的には加齢によって不可逆的に老い衰えた状態になると考えがちですが、適切な行動、介入によってまた健常な状態に戻る可能性があります。
「サルコペニア」は筋肉量の減少を主体として筋力や身体機能の低下を見るのに対して、「フレイル」には身体的、社会的、精神的要素などが含まれます。身体的要素は「サルコペニア」や活動量の低下があり、社会的要素は孤独や閉じこもりなど、精神的要素は認知症や老人性うつなどがあります。
また「フレイル」の診断基準としては①体重の減少②歩行速度の低下③握力の低下④疲れやすい⑤身体の活動レベルの低下、のうち三つ以上当てはまることとされています。次回は「フレイル」から健常な状態に戻るための方法についてお話しします。