以前、運動療法についてお話ししましたが、今回は「物療」についてお話しします。物療とは、正式には物理療法といって、自然界に存在する物理的なものを医療に利用することを意味します。例えば、温熱(温水、極超短波など)、光(赤外線やレーザーなど)、寒冷(アイスパックなど)、電気(電気刺激装置など)、外力(マッサージ機械)、けん引などの物理的刺激を用いた理学療法のことです。
例を挙げると、腰が痛いときに風呂にゆっくり漬かったら痛みが取れたというのも、温熱効果によるものです。基本的に痛みがある場合、筋緊張が高まり痛みの原因となる物質がたまりやすくなるため、物療によって血流を良くすることで筋緊張をほぐし、痛みの原因となる物質を排除します。
最近は、より局所的に効果を高めたレーザーや、固有受容性神経筋促通法(PNF)といった治療も普及するようになってきました。一度、専門医に相談してみるといいでしょう。