【第16回】 肩凝りについて(その1)【2012年2月】

 「最近、肩が凝ってたまらん」と言う患者さんがよく来られます。肩凝りはもちろん正式な病名でなく、古くからあった言葉でもありません。肩凝りは、夏目漱石によってつくられた造語であるといわれています。症状としては、首から肩にかけてのこわばり、不快感、重苦しさなどさまざまです。原因で最も多いのは筋肉の疲労ですが、これは全身を使わず、同じ筋肉のみ使い続けること、例えば、長時間のパソコン作業や、デスクワークなどで起きやすくなります。しかし、なかなか改善しなかったり悪化してしまうときは、別の病気が潜んでいることも考えられます。例えば頚椎(けいつい)の変形や、椎間板ヘルニア、四十肩、視力低下、歯のかみ合わせ、精神的な悩み、不安、緊張など、いずれも肩凝りを引き起こす可能性があります。
 ひどい肩凝りが長期間続く場合は、一度整形外科を受診することをお勧めいたします。次回は肩凝りの治療についてお話しします。