今回は、腰椎に発生する疲労骨折「腰椎分離症」についてお話しします。発生原因は、成長期の過度の運動とされており、患者さんのほとんどが運動部に所属している方です。症状としては当然腰痛が起こりますが、程度には差があり、スポーツ時のみの痛みから、授業中椅子に座っていることができないほどの激痛を訴える場合もあります。
診断では、基本検査として腰椎エックス線斜位撮影を行いますが、そのほかにコンピューター断層撮影(CT)や磁気共鳴画像装置(MRI)の検査が追加されることが多いです。CTは分離の病期、治癒経過を見るのに非常に有意義な検査ですが、分離症発生の超早期では、CTに写らなかったとの報告もあります。それに対してMRIはその時期の分離も描出できるといわれています。
スポーツ選手の腰痛のうち分離症は10~25%という報告もあり、腰痛が長く続いたり激しさを伴う場合は、早めに整形外科を受診することをお勧めいたします。次回は、治療についてお話しします。