「骨挫傷」という言葉を最近聞いた人も多いかと思います。フィギュアスケートの高橋大輔選手がGPファイナルの試合前に受傷し、欠場を余儀なくされたけがのことです。
受傷機転は、骨に強い外力が加わった場合に起こります。とてつもなく大きな力が加われば、骨は骨折(完全骨折)を起こしますし、もう少し弱い力なら俗にいう「ひび」(不全骨折)になります。「ひび」は骨折ではないと考えている方もおられますが、立派な骨折です。その不全骨折よりも少し弱い力で起こるのが「骨挫傷」いわば骨の中の内出血です。重症度でいうと、完全骨折>不全骨折>骨挫傷という感じです。骨挫傷はエックス線写真では写りませんので、診断には磁気共鳴画像装置(MRI)が必要です。
痛みが強くなかなか取れない、エックス線写真を撮っても骨折がないのに局所を押すと強い痛みがある、などの症状は骨挫傷が疑われます。次回は、骨挫傷の治癒経過や治療についてお話しします。